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わたしたちの視点

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IDJJJ3 Creators! 清水 彩香

清水 彩香(しみず あやか)
アートディレクター / グラフィックデザイナー
1988年神奈川生まれ。2012年多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒。good design companyとBLUECOLORを経て、2017年独立。
Webサイト:http://ayaka-shimizu.com/

— 清水さんは、2017年に独立されたということですが、それはどういった経緯、想いで独立に至ったのでしょうか?
清水:社会人4年目、2社目に入った頃から、もっと自分で判断し、自分の言葉で伝え、それらを自分の責任でやってみたい、と思うようになったことが一番大きいです。そんな想いを解消しようと、指示された制作物を終えた上で、自分が良いと思うものも提案したり、頼まれていないものや自分の作品を自主的に作ったりしていました。独立を意識し始めた折、クリエイターマネジメントもしているNON-GRIDの所属メンバー募集の記事を見つけました。独立への糸口になるかもしれないと応募したところ、所属することが決まり、フリーランスになることを決心しました。本当に多くの方々に助けていただきながら決断に至りました。


2017年12月の渋谷ヒカリエShinQsのクリスマスビジュアルを担当。1〜5階のフラッグや、レッドカーペットに見立てた床のデザインを展開した

— 最近は主にどのようなお仕事をされていますか?
清水:女性向けブランドのアートディレクションのご依頼がとても多いです。色彩の響きや、繊細な曲線を使った造形が好きなので、これらを活かすことができるお仕事は特に嬉しく思っています。
広告やブランディングのお仕事も多いです。その中では、ムービーやWEB等、紙媒体以外のディレクションもします。様々な種類のメディアの可能性がある時代なので、トータルに関わりながらデザインしていくことが、伝えたいことを適切に伝えるために必要だと感じています。ひとつのポスターの中に言いたいことをあれもこれも盛り込んでも、大して伝わらない上に魅力がどんどん落ちてしまう。細かい情報は冊子やWEBの方が効果的です。良いものを作るために、立体的に関われるお仕事をこれからも増やしていきたいと思っています。
— 今回はUVインクジェットを用いて、どのような作品作りをイメージされていますか?
清水:UVインクジェットの特徴を最大限に活かしたビジュアルを作りたいです。昨今、インクジェットに限らず無版印刷全体の進歩が目覚ましいと思いますが、その「進歩」が目指すものは多くの場合、オフセット印刷のような気がしています。オフセット印刷の、紙になじむ自然な表現にどれだけ近づけられるのかということもとても興味深く、注目していきたいところですが、UVインクジェットだからこその表現を追求していくことも「進歩」としていいのではないかと思っています。アクリルガッシュのように紙にどっしりと乗る物質感や、印刷する素材の自由、独特の色彩美、ニス、糊付け。“画材”の違いだと思います。これらを見つめ直したいです。


2016年7月に開催されたアーティスト井澤由花子の個展のポスターやグッズデザインを担当。その他にも、井澤由花子のアートを用いた数々のポスターを制作している

— 確かにUVインクジェットは「どっしりと乗る物質感」はとても独特ですね。楽しみにしています。
清水:よろしくお願いいたします。

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