LIBRARY

わたしたちの視点

*

[PIM]八木 彩「Touching is Seeing」

八木 彩(やぎ あや)
アートディレクター / グラフィックデザイナー
1985年、兵庫県生まれ。武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科卒。電通1CRP局所属。
広告を中心に、グラフィックデザイン、ブランディング、ロゴデザイン、パッケージデザインなどを手掛ける。
Webサイト:http://yagiaya.com/

— 今回の作品のコンセプトを教えていただけますか?
八木:スマホやパソコンが生活に欠かせないものになって、
いろいろな情報をディスプレイ越しに受け取ることが多くなりました。
視覚の情報が増えすぎたことで、
逆に見えなくなっていることがあるのでは?と考えました。
印刷物の魅力を改めて考えた時に、
手触りや、香りや、スケール感があることだと思い
今の時代への問題提起も含めて、
視覚ではなく、触覚で感じるポスターを制作しました。
目で見た情報にとらわれないよう、紙は黒だけにしぼり、
紙とインクの組み合わせで、様々な質感を生み出すことに挑戦しています。
— UVインクジェットと紙の魅力はどんなところですか?
八木:紙の色や質感に影響されずに出力できるので、
色のついた紙やメタリックの紙なども選択肢に入れることができ、
組み合わせが無限なところが魅力だと思います。
— 今回の作品で大変だった所はどこでしたか?
八木:葉っぱの質感を紙で表現するのが1番大変でした。
入稿データもいろいろなパターンを検証しましたし、
ショウエイの瓜生さんにもいろいろな方法を検証していただきました。
最終的なポスターは、紙でこんなことができるんだ!というものができたと思います。
— 作品のMANIAな部分を教えていただけますか?
八木:まず最初に、使う色を黒だけに絞ろうと決めて、
平和紙業さんの紙の中から黒があるものだけを選び、黒の紙見本を作りました。
黒い紙を俯瞰して並べて見ると、質感や色など差が多様でした。
インクジェットなら黒い紙にも写真やデザインを乗せられるので、
黒い紙の可能性も感じていただけたらと思います。
— 今後、PAPER&INKJET MANIAとして、どのように活動をされていかれますか?
八木:今回得られた学びを生かして、新しい作品を継続して作っていけたら嬉しいです。


黒の紙を使い、質感の違う4種のポスターを制作


“Touching is Seeing” 「Leaf」
クリアインクとレーザー彫刻で葉脈をリアルに表現


“Touching is Seeing” 「Material」
インクの厚盛りやクリアインクで様々な質感を表現

一覧へ戻る